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社内資料をAIで翻訳・校正する際の注意点

社内資料の翻訳・校正にAIを使うと、作業時間を大幅に短縮できます。一方で、仕事の文書には機密情報数値・条件が含まれやすく、運用を誤ると情報漏えい誤訳による意思決定ミスにつながります。

本記事では「社内資料をAIで翻訳・校正しても大丈夫?」という不安に対して、一般論ではなく現場で回るルールとチェック体制を具体的に整理します。最後に、要件を満たしやすい選択肢の例として、専用ツール(例:Languise)も紹介します。


目次

まず押さえる:社内資料は「外に出ない」からこそ危ない

社内資料は外部公開されない前提のため、以下が入りがちです。

  • 顧客名・取引条件・価格・納期
  • 未公開の製品仕様・障害情報・ロードマップ
  • 人事・評価・組織情報
  • 研究データ、実験結果、設計図

つまり「社内向け」だから安全ではなく、むしろ外部サービスに投入してはいけない情報が混入しやすい文書です。AIを使うなら、最初に入力してよい範囲(線引き)を決める必要があります。


AI翻訳・校正のメリット

  • 翻訳の下訳が一瞬でできる(ゼロから書く時間が減る)
  • 校正(誤字脱字、表現の簡潔化、敬語調整)を短時間で回せる
  • 用語や表記の統一を補助できる(ルールを与えれば再現性が上がる)
  • レビュー前の“粗”を落として、確認工数を減らせる

ただし、メリットを最大化するには「AIが勝手に良くしてくれる」ではなく、運用設計が前提になります。


AI翻訳・校正の主要リスク

1) 情報漏えい(最大リスク)

AIに文章を入力する行為は、内容によっては社外へ情報を預けるのと同等に扱われる可能性があります。特に次は原則NGです。

  • 個人情報(氏名、住所、社員番号、メール、評価情報など)
  • 顧客特定情報(取引条件、案件名、担当者情報)
  • 未公開情報(価格、仕様、障害、戦略、研究データ)
  • 認証情報(ID、パスワード、トークン、共有リンク)

不確実な点:入力データが学習に利用されるか、ログがどの程度保持されるか、削除できるかは、サービス・プラン・設定・契約形態で変わることがあります。必ず最新の利用規約・管理者設定・DPA(データ処理契約)を確認してください。

機密を扱う可能性があるなら、まず「確認観点」を揃えるのが安全です(例として以下の記事がチェックリストになります)。

2) 誤訳・誤修正

AIは自然な文章を作れますが、仕事では「自然」より正確が重要です。事故が起きやすいのは次です。

  • 数値・単位・条件(上限/下限、±、must/should、除外条件)
  • 否定・例外(not / without / except / unless)
  • 固有名詞(規格名、製品名、手法名、社内略語)
  • 因果関係(原因/結果、前提/結論の取り違え)

校正でも同じで、AIが“良かれと思って”言い換えた結果、意味が変わることがあります。よって、AI校正は「文章を良くする」ではなく、見落としを減らす補助として扱うのが安全です。

3) 監査・規程違反

会社によっては「外部サービスへの入力」や「生成AI利用」自体が制限されることがあります。特に、取引先のセキュリティ要件が厳しい場合は、現場判断ではなく情シス・法務・上長の合意が必要です。


【最重要】社内資料でAIを使う前に決めるべき「線引き」

まず作るべきは、社内資料のデータ分類です。おすすめは次の3段階です。

区分AI投入対策
低機密公開情報の要約、一般的な案内文、社内テンプレOK通常のQAのみ
中機密部内資料、進捗報告、一般の業務メモ条件付きマスキング+管理ルール
高機密顧客情報、未公開仕様、契約、研究データ、人事評価原則NG投入しない(または特別な環境のみ)

ポイント:「社内だからOK」ではなく、文書に含まれる要素で判断します。中機密を扱うなら、次のマスキング運用が必須です。


マスキング運用(これを決めれば事故率が下がる)

マスキング対象(優先順位つき)

  • 最優先:個人情報、顧客名、メール、住所、社員番号
  • 次点:案件名、製品名、型番、価格、納期、契約条件
  • 必要に応じて:組織名、拠点名、未公開機能名、社内コード

置換ルール例

  • 会社名 → A社 / B社
  • 担当者 → 担当X / 担当Y
  • 製品名 → 製品P
  • 金額 → ¥YYY
  • 日付 → 20XX/XX/XX

置換表(対応表)を作っておくと復元が速く、ミスも減ります。復元は翻訳・校正後に行います。


翻訳・校正のチェック体制(QA)

AIの出力をそのまま採用すると事故が起きやすいので、最低限このQAを入れてください。

一次チェック(必須:短時間でやる)

  • 数値・単位(% / mm / ± / 上限下限)
  • 期限・条件・例外(if, unless, except)
  • 否定(not / without)
  • 固有名詞(規格名、製品名、社内略語)

二次チェック(重要文書だけ)

  • 重要段落のみ原文照合(意思決定に関わる箇所)
  • 必要ならバックトランスレーション(訳文→原言語に戻して確認)
  • レビュー担当者を固定(責任範囲を明確化)

校正について「どこまでAIに任せるべきか」をもう少し踏み込みたい場合は、業務文書を前提に整理された記事が参考になります(例として以下)。


文書タイプ別:AI翻訳・校正の使い分け(社内資料向け)

文書タイプAI活用のおすすめ注意点運用のコツ
議事録・メモ校正・要約に強い固有名詞の誤り固有名詞だけ手動確認
進捗報告・報告書文章整理に有効因果関係の取り違え結論・根拠・数値を重点確認
仕様・要件・手順書下訳+整形に有効must/should の誤り条件文と数値を二重チェック
研究・技術資料用語統一が鍵専門用語と図表用語集+原文照合
人事・評価原則避ける個人情報・機微情報投入しない(または厳格な環境)

論文・技術資料寄りの社内文書が多い場合は、専門領域の注意点を前提にした記事を読むと失敗が減ります。


ツール選びで失敗しない要件(社内資料向け)

社内資料の翻訳・校正は、翻訳精度よりも「運用が崩れないか」が成否を分けます。少なくとも次の要件を確認してください。

  • セキュリティ:学習利用の有無、ログ/保持/削除、権限、監査
  • 品質の再現性:用語統一、校正、レビュー支援があるか
  • ファイル運用:PDF/Word/PPTをそのまま扱えるか(コピペ地獄にならないか)
  • チーム運用:共有・権限・管理者機能があるか
  • コスト:無料枠・従量・チーム費用の見通しが立つか

上の要件を満たす選択肢はいくつかありますが、社内資料の翻訳・校正・ファイル運用を前提に検討されやすい例の一つがLanguiseです。まずは「自分の用途に合うか」を短時間で判断するなら、次の順で読むのが効率的です。


よくある質問(FAQ)

Q1. 社内資料ならAIに入れても問題ない?

問題ないとは言い切れません。社内資料ほど顧客情報や未公開情報が混入しやすく、外部サービスへの入力が規程違反になるケースもあります。まずは「データ分類」と「入力禁止ライン」を決め、必要なら情シス・法務と合意を取ってください。

Q2. 校正はAIに任せていい?

全面的に任せるのは危険です。AIは“読みやすく”できますが、意味を変える可能性があります。校正は「見落としを減らす補助」として使い、数値・条件・否定・固有名詞は必ず人が確認してください。

Q3. PDF/Word/PowerPointの社内資料が多い。コピペ運用が辛い…

ファイル運用が多い職場は、コピペ翻訳だと作業が破綻しやすいです。ファイル翻訳を軸に見直すと、工数とミスの両方が減ります。


まとめ:社内資料のAI翻訳・校正は「線引き」と「QA」で安全に回せる

  • 社内資料は機密が混入しやすく、AI利用は情報漏えいが最大リスク
  • まずやるべきはツール選定ではなく、データ分類(線引き)マスキング運用
  • 品質は「精度」よりQA(数値・条件・否定・固有名詞)で担保する
  • ツールは、セキュリティ・品質再現性・ファイル運用・チーム運用の要件で選ぶ

もしあなたが、

…という状況なら、上記の記事を読むことで「自社の要件に合う運用・ツールか」を短時間で判断できます。まずはセキュリティ観点で“入力してよい範囲”を固め、次に運用負荷(ファイル/校正)で最適化する流れがスムーズです。

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